
トークショーは全回、上映終了後に行います。

| 5.24(土) 20:00〜 |
青春ロック映画と言えば、やっぱコレでしょ |

©2003「アイデン&ティティ」製作委員会
2003/118分/カラー/35ミリフィルム/作品提供:東北新社
監督:田口トモロヲ
出演:峯田和伸(銀杏BOYZ)、中村獅童、大森南朋、麻生久美子他
1992年に刊行されたみうらじゅんの同名漫画を原作に宮藤官九郎が脚色、みうらじゅんの友人でもある田口トモロヲが初監督を務めた青春ロック映画。80年代後半から90年代初頭の日本のバンドブームを背景に、架空のバンドSPEED WAY(峯田和伸、中村獅童、大森南朋、マギー)が本当のロックを求めて葛藤する。原作のみうらじゅん自身、バンド経験があるため、商業主義に巻き込まれ、自分を見失ってしまいそうになるミュージシャンたちの姿がリアルに描かれる。劇中随所に表れるボブ・ディランへのオマージュ、峯田の恋人役・麻生久美子が口にする痺れるような名言のオンパレードも大きな見所。音楽も、ムーンライダースの白井良明、「あまちゃん」で一躍有名になった大友良英、エンケンこと遠藤賢司など、そうそうたるメンバーが担当している。
| 5.25(日) 20:00〜 |
90年代・渋谷。風俗嬢2人の逞しき生き様! |

©G・カンパニー/東亜興行株式会社
1994/115分/カラー/DCP/作品提供:キネ旬DD ※R18指定
監督:高橋伴明
出演:鈴木砂羽、片岡礼子、松尾スズキ、宮藤官九郎、阿部サダヲ他
“なめだるま親方”の名で知られる島本慶が取材した風俗嬢のナマの声を綴ったエッセイと、22才のSMの女王を被写体とした荒木経惟の写真で彩られた同名ルポ写真集が原作。90年代前半の渋谷を舞台に、劇団女優の道を目指すSMクラブの女王(鈴木砂羽)と、いつか玉の輿に乗るべく取っ替え引っ替え将来有望な男と付き合うホテトル嬢(片岡礼子)の、強く逞しい生き様を描いた大傑作。劇団員として登場する若き日の宮藤官九郎や阿部サダヲ、SMクラブの客役の萩原流行、大杉漣、下元史郎らの快演にも注目。山崎ハコの唄う劇中歌「今夜は躍ろう」も実に印象的。94年キネマ旬報ベスト・テン日本映画第9位。鈴木砂羽が同年度の映画賞新人賞を総ナメにした。
| 5.26(月) 20:00〜 |
ロクでもない脇役たちに心から万歳!! |
©1975綜映社/東宝
1975/117分/カラー/35ミリフィルム/作品提供:東宝
監督:黒木和雄
出演:江藤潤、竹下景子、原田芳雄、桂木梨江他
昭和30年代の高知県中村市(現:四万十市)を舞台にした脚本家中島丈博の半自伝的作品。信用金庫に勤めながらシナリオ作家になることを夢見る青年・楯男(江藤潤)が地縁・血縁のしがらみの中でもがき苦しむ姿を描いたATG屈指の名作。同じ村に愛人を何人も持つ主人公の父親、兄が刑務所にいるスキにその妻を寝取る泥棒の弟、大阪のキャバレー勤めでヒロポン中毒になり帰郷した妹、その彼女の体に溺れ子供を身ごもらせる主人公の祖父、母親と近親相姦の関係にある仕立て屋の青年等々、脇役がことごとくロクでもない人間で、いすれも強烈な光を放っている。75年キネマ旬報ベスト・テン日本映画第2位、脚本賞(中島丈博)、原田芳雄が最優秀助演男優賞を受賞した。ラストシーン必見!
| 5.27(火) 20:00〜 |
故・古尾谷雅人主演の傑作群像劇 |

©1980オフィス・シロウズ/東宝
1980/126分/カラー/35ミリフィルム/作品提供:東宝
監督:大森一樹
出演:古尾谷雅人、伊藤蘭、内藤剛志、柄本明他
医学部出身の大森一樹監督が自らの体験を反映させながら、京都の医科大学に属する臨床実習グループや、学生運動の名残り激しい大学自主管理寮に住む若者たちのモラトリアムな日々を生き生きと描いた群像劇。主人公・愛作を演じるは故・古尾谷雅人、ヒロインにキャンディーズ解散後の復帰作となった伊藤蘭、後に名バイブレイヤーとなる内藤剛志、斉藤洋介も本作で映画デビューを果たした。出演陣は総勢70人にも及び鈴木清順や手塚治虫までもが顔を出している。360度のカメラパン、スローモーション、フラッシュバックなど映画的技巧の多用、徳州会、無資格堕胎、森永砒素ミルク訴訟など1980年当時の医事時事ネタが豊富に描かれている点も興味深い。80年キネマ旬報ベスト・テン日本映画第3位。
| 5.28(水) 20:00〜 |
坊や哲vsドサ健vs女衒の達!博打打ちの容赦なき死闘 |

©1984 KADOKAWA
1984/109分/モノクロ/35ミリフィルム/作品提供:KADOKAWA
監督:和田誠
出演:真田広之、鹿賀丈史、加藤健一、高品格他
阿佐田哲也の同名ピカレスクロマンを原作に、人気イラストレーター和田誠が、麻雀でしのぎを削る男たちが生き残りをかけて死闘を繰り広げる様を丹念な演出で描いたド傑作。坊や哲、ドサ健、出目徳、女衒の達などの魅力的キャラクター、舞台背景となる戦後闇市の空気をリアルに醸し出すモノクロ画面、麻雀シーンでの巧みなカメラワーク、博打打ちの独特な台詞回し、俳優陣の緩急自在な芝居、雀鬼こと桜井章一の雀技指導による「つばめ返し」などの鮮やかなイカサマ技等々、麻雀を一切知らなくとも十分に楽しめる一級の娯楽作として、各方面から絶賛を浴びた。84年キネマ旬報ベスト・テン日本映画第4位。出目徳を演じた高品格が映画賞の最優秀助演賞を総ナメにした。
| 5.29(木) 20:00〜 |
バカやろう、まだ始まっちゃいねえよ |

「キッズ・リターン」監督:北野武
©1996バンダイビジュアル/オフィス北野
1996/107分/カラー/35ミリフィルム/作品提供:オフィス北野
監督:北野武
出演:金子賢、安藤政信、石橋凌、モロ師岡他
94年、バイク事故に遭った映画監督・北野武の復帰作で、言わずと知れた青春邦画の金字塔。高校の友人で、ヤクザになったシンジ(金子賢)とプロボクサーの道を歩んだマサル(安藤政信)の野望と葛藤、挫折を軸に、不良、漫才師、タクシー運転手など多くの人生が、たけし独特の虚無的な世界観で描かれる。主役の2人が自転車で校庭をグルグル回るラストシーンが秀逸で、そこで彼らが交わす会話をどう解釈するかでも話題を呼んだ。青年期の無意味さと切なさを表すに大きな効果をあげた久石譲の音楽、マサルをたぶらかす先輩ボクサー役のモロ師岡の名演、ヤクザの組長役・石橋凌の存在感も注目所。96年キネマ旬報ベスト・テン日本映画第2位。安藤政信が同ベスト・テン新人男優賞に輝いた。
松江哲明ドキュメンタリー映画監督| 5.30(金) 20:00〜 |
最高にカッコ悪く最高に素敵なヤツら |

©2009 ロサ映画社/ノライヌフィルム
2009/80分/カラー/DVD/作品提供:SPOTEED PRODUCTIONS
監督:入江悠
出演:駒木根隆介、みひろ、水澤紳吾、奥野瑛太他
仕事がなく家族から邪魔者扱いされている主人公イック(駒木根隆介)、彼の親友でおっぱいパブのバイトに忙しいトム(水澤紳吾)、実家のブロッコリー畑で一攫千金を企む後輩のマイティ(奥野瑛太)等々。サイタマ県フクヤ市でヒップホップグループ・SHO-GUNGを結成する彼らの不器用な生き様を描いた“非上京型”青春群像劇のド傑作。映画中盤の「市民のつどい」のライブシーンの切なさ、イックとトムがラップでやり取りするラストシーンは涙無くして観られない。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭グランプリ受賞。SRシリーズとして、10年「SR サイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム」、12年「SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者」が作られている。
| 5.31(土) 20:00〜 |
井筒和幸’s不良シネマの原点がここに |

©1981プレイガイドジャーナル社/東宝
1981/115分/カラー/35ミリフィルム/作品提供:東宝
監督・井筒和幸
出演/島田紳助、松本竜介、趙方豪他
万国博を3年後に控え大きく変わろうとする1967年の大阪を舞台に、町中にはびこる在日愚連隊達の抗争を描いた井筒和幸の出世作で、後の「岸和田少年愚連隊」(96)「パッチギ!」(05)の原点となる1本。井筒監督と、脚本兼助監督担当の西岡琢也が取材・収集した大阪の不良少年の事件記録をもとに作られただけに、全編、凄まじくリアルな仕上がりとなっている。81年キネマ旬報ベスト・テン日本映画第7位。劇中、唯一どの愚連隊にも属さなかった孤高の在日コリアン「ケン」を演じた趙方豪(97年没)が同年ヨコハマ映画祭の新人賞を受賞した。ちなみに、その趙方豪が主演した続編「ガキ帝国 悪たれ戦争」(81)は、その設定と主人公たちのセリフに激怒した大手ハンバーガーチェーンの抗議により、上映・放映・ソフト化できないと言われている。
吉田豪プロインタビュアー| 6.1(日) 20:00〜 |
岩井俊二、初期の傑作2本立て |

©1996ROCKWELL EYES INC
1994/45分/カラー/35ミリフィルム/作品提供:アスミック・エース
監督:岩井俊二
出演:山崎裕太、奥菜恵、反田孝幸他
1993年にフジテレビの番組「ifもしも」の1本として製作されたにもかかわらず、同年日本映画協会新人賞を受賞したTVドラマの劇場版で、岩井俊二の名を一躍世に知らしめた傑作。港町を舞台に、打ち上げ花火を横から見たら丸いのか平べったいのか、それを確かめるために花火大会の夜に町はずれの灯台へ行こうと計画する少年たち。彼らが想いを寄せる美少女(奥菜恵サイコー!)。誰もが経験する小学校時代の夏の日、初恋の記憶を蘇らせてくれるリリカルタッチの名品。

©1998ROCKWELL EYES INC.
1998/67分/カラー/35ミリフィルム/作品提供:ロックウェルアイズ
監督:岩井俊二
出演:松たか子、田辺誠一、留美他
初春の武蔵野を舞台に、東京の大学に通うため北海道・旭川の親元から離れてひとり暮らしを始めた女子大生に、開放感と不安が交錯する4月だけの物語。60分強の中編ながら、もう一人の主人公が初めて登場するまでに40分。残り10分で、彼女が大学を選んだ他人に言えない“不純な動機”など全ての理由が明らかになる。張りめぐらされた伏線が、一点に集約される構成が見事。松たか子の初主演作。
モルモット吉田映画評論家| 6.2(月) 20:00〜 |
市川準が描く巨匠漫画家たちの夜明け前 |

©Culture Convenience Club Co.,Ltd.
1996/110分/カラー/35ミリフィルム/作品提供:カルチュア・パプリッシャーズ
監督:市川準
出演:本木雅弘、阿部サダヲ、古田新太、大森嘉之他
昭和を代表する漫画家・手塚治虫、石ノ森章太郎、赤塚不二夫、藤子不二雄らが暮らしたアパート“トキワ荘”を舞台に、貧乏暮らしにもめげず、漫画を描くことにひたすら情熱を注ぎ込んだ彼らの若き日々を、故・市川準が物静かなトーンで綴った青春群像劇。後に巨匠となる漫画家たちが夢を追いかけ苦悩する姿は、主人公の寺田ヒロオを演じた本木雅弘以外は当時無名だった、阿部サダヲ、古田新太、生瀬勝久ら若手俳優陣にも通じるものがある。ちなみに、今回の上映会のゲストである原一男監督は出版社編集長役、内田春菊は娼婦役として本作に出演している。96年キネマ旬報ベスト・テン第7位。
| 6.3(火) 20:00〜 |
映画界最注目! 山戸結希を体験せよ |

©2013 寝具劇団/MOOSIC LAB
2013/52分/カラー/BD/作品提供:SPOTTED PRODUCTIONS
監督:山戸結希
出演:趣里、岡部尚、おとぎ話他
上智大学在学中に自主製作した「あの娘が海辺で踊ってる」で2012年、映画界に衝撃デビューした山戸結希監督の劇場公開2作目。田舎を抜け出し東京でダンスを学びたいと考えている女子高生の学園生活と、ロックバンド「おとぎ話」のライブがコラボされた独特の映像世界。各地の映画館主を中心としたプロフェッショナルたちが選定する「MOOSIC LAB 2013」のコンペティションで、グランプリ、最優秀女優賞(趣里)、ベストミュージシャン賞(おとぎ話)を受賞。怒濤の独白、繊細なアングル、高度な演出力に圧倒される。最新作「5つ数えれば君の夢」も高い評価を受ける新進気鋭女性監督の、過剰さと切迫感が満ちあふれた傑作をスクリーンで体験すべし!
| 6.4(水) 19:30〜 |
土方、移民、HIPHOP。この街で今何が!? |

©空族/「サウダーヂ」製作委員会
2011/167分/カラー/35ミリフィルム/作品提供:空族
監督:富田克也
出演:鷹野毅、田我流、伊藤仁他
富田監督の出身地である山梨県甲府市を舞台に、不況による空洞化が進む地方の現状、そこで暮らす派遣労働者、これまでの日本映画ではあまり扱われることのなかった日系ブラジル人やアジアからの移民たちの切実な生き様を描き出した傑作人間ドラマ。街そのものをテーマに、実際にそこで生活している人々をキャスティングして作られただけに(製作予算はなんと1,500万円)、全編に異様なまでのリアリティが漂っている。ラップ音楽をとり入れたその映像世界は海外でも反響を呼び、フランスのナント三大陸映画祭でグランプリを受賞。2011年のキネマ旬報ベスト・テンでも第6位に選出された。
| 6.5(木) 20:00〜 |
石井聰亙! バイオレンス!
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©ISHII SOGO ALL RIGHTS RESERVED
1980/94分/カラー/35ミリフィルム/作品提供/ドラゴン・マウンテン
監督:石井聰亙
出演:山田辰夫、南条弘二、中島陽典、小林稔侍他
日大芸術学部映画学科の卒業制作として石井聰亙(現・石井岳龍)が発表した、日本インディーズ映画の最高峰にして、今なお熱狂的なファンを生み続ける傑作SFバイオレンスアクション。伝説の街“サンダーロード”に生きる、はみだし者の特攻隊長・仁が、権力に屈する暴走族や右翼(小林稔侍!)に怒りをたぎらせ、戦いを挑んでいく様が壮絶に描かれる。80年キネマ旬報ベスト・テン第9位。主役の暴走族「魔墓呂死」の特攻隊長・仁を演じた山田辰夫(09年死去)が同年各映画賞の新人賞を総ナメにした。劇中歌として泉谷しげる(本作には美術監督としても参加)、ロックバンド頭脳警察のパンタ率いるPANTA&HAL、ロックバンドのTHE MODSの楽曲が多数使用されている。
| 6.6(金) 20:00〜 |
生きる伝説、ゴジの衝撃デビュー作 |

©1976 今村プロ/東宝
1976/120分/カラー/35ミリフィルム/作品提供:東宝
監督:長谷川和彦
出演:水谷豊、原田美枝子、市原悦子他
1974年、千葉県市原市で起こった実際の親殺し事件を取材した中上健次の短編小説「蛇淫」を下敷きとした長谷川和彦監督(愛称ゴジ)のデビュー作。制作費3500万円の低予算ATG映画ながら、テーマの衝撃性、全編を貫くパワフルな演出、スタイリッシュな映像など作品の完成度を高く評価され76年のキネマ旬報ベスト・テン第1位を獲得。主演の水谷豊(当時24才)と、恋人役の原田美枝子(当時17才)もその瑞々しい演技で、同ベスト・テンの最優秀主演男優賞、同女優賞に輝いた。ちなみに、劇中音楽は当初ビートルズが使われる予定だったが、著作権料と使用料の高さから断念、代わりに担当したゴダイゴが透明感溢れる楽曲を提供している。
染谷将太俳優